未来は突然やってくる

20XX年の未来予想

遠隔操作ロボット 働き方が変わる

遠隔操作ロボットとは?


f:id:whosha:20190301132718j:plain

遠隔操作ロボットは高速通信を使い、離れた場所にあるロボットを別の場所から人が遠隔操作するものを言います。

1 ロボット

2 操作を行うウェラブル・コントローラー(体に装着するもの)

この2つと高速通信が必要になります。

※本当のロボットは1だけで2は操作用の端末です。1のロボットはAIによって自律して動くわけではありません。

◯遠隔操作ロボットの導入によって場所と時間による制約がなくなる

将来、遠隔操作ロボットの性能が上がっていくと職場に活用されるのではないかと考えられます。

主に導入が進みそうなのは飲食店(主に厨房)、工場、倉庫などです。

現場にロボットを置いて、遠くから人が(作業者として)操作するという遠隔操作ロボットによる労働です。

正確に言うと、この仕組はロボットが自律して労働を行うわけではありません。(将来は遠隔操作ロボットの他にも自律動作するAI制御のロボットも活用されます)

「未来のカフェ」の記事で紹介したようにカフェであればアームロボットと運搬ロボット、タブレットと電子決済の組み合わせで理論上は無人化するのは可能でしょう。

mirainosekai.hatenablog.com

しかし、もっと複雑な作業内容になると現時点ではロボットが100%対応することは難しいと思われます。将来AIの性能が上がっていくのは間違いないのですが、複雑な作業となるとAIだけでなくロボット側の性能も要求されます。

割と言われている事ですが、ロボットには無理な「人間にしか出来ない作業がある」という考え方があります。

今回紹介する遠隔操作ロボットを用いた仕組みは、ロボットが出来ない複雑な作業を人がするのではなく、遠くにあるロボットを離れた場所から人が遠隔操作して実現しようとするものです。





<仕組み>

1 遠隔操作ロボットが飲食店、工場、倉庫(現場)に置かれます。

ロボットの2本のアームと頭の位置にはカメラ、マイク、移動は二足歩行するのではなく安定性を重視して車輪によって行います。現場にはカメラとセンサーを設置して今どのような作業をすればいいのかを現場と連動してAIが判断します。


2 自宅で離れた場所にあるロボットを遠隔操作します

作業者がウェラブル・コントローラーを装着します。このウェラブル・コントローラーは出来るだけ低コストになるようにセンサーが入ったアームバンドを何本か、指と手の動きを伝えるグローブ、作業者の動きを捉えるカメラ、現場の映像を見るためのVRゴーグル(モニター)を活用します。


3 AIが補助・補正する

例えばロボットが30Kgの重さの荷物を持つ場合、操作する人間側に30Kgの重さを感じさせるわけにはいきませんので、AIによる調整が行われ操作する人間に作業しやすい絶妙な感覚を伝えます。また、人間が明らかに不自然な動きやミスをした場合はロボットの動きを停止させるように設定してあります。基本的な仕組みとしてはAIが簡単な作業を行い、人間が複雑な作業をする形になるでしょう。画像認識を使いAIがタスクや状況に応じてA地点からB地点まで移動、上下の高さを調整、向きを変えるなど単純な動作はAIによって制御させます。逆にAIには出来ない複雑で素早い作業が要求される「掴む」「持ち上げる」「持ち上げたものを置く」「畳む」「折り曲げる」「選別」などの作業は人間が操作します。簡単な動作はAI、複雑な作業は人間が行うというように役割を明確に分けることで操作側のウェラブル・コントローラーにコストがかからないようにしています。(その方が装着しやすい)


4 VRゴーグルに作業指示が表示されます

一つのタスク(作業)に取りかかる前に作業の手順が映像や文章で確認出来るようになっています。作業中に次の指示が矢印マークで表示されミスを最小限に抑える工夫がされています。


5 タスクをこなすとポイントが手に入ります

タスクの種類によって獲得ポイントに差が付きます。つまり複雑で大変な作業はポイントが多く得られるという事です。といっても作業者が実際に重い物を持つわけではありません。(重い物を持つのは現場に置かれたロボットです)一つのタスクをこなすと次のタスクの指示があります。タスクをこなすのはゲーム感覚で行えます。仕事を時間で捉えるのではなく一つ一つのタスクとして扱うのです。


6 場所、時間の制約がなくなる

自宅にいる作業者と現場は通信によって結び付けられているのですが、これは切り換えをすれば別にどの現場でもいいのです。午前中の1時間の作業は東京にある工場、午後からの1時間の作業は大阪の工場にすることも可能ですし、10分毎に切り換えてもいいでしょう。もちろん自宅は田舎でも何処でも構いません。この仕組を使うと、例えば牛丼チェーン店の場合、客が入ってきた店舗にだけ瞬時に作業者を割り振っていけば客が一人も入ってない店舗の無駄な人件費を削減できます。時間給ではなくタスクをこなした数によって給料が支払われる方式です。

遠隔操作ロボットも含めロボット全般が普及した社会が実現されると、私たちは通勤する必要がなくなります。土砂降りの雨でも遠く離れた場所でも関係ないのです。自宅から仕事のエントリーをして仕事の空きのある現場と通信で繋ぐだけで作業ができ、作業服を着る必要もありません。また、実際に現場で動くのはロボットですので怪我をする事もないでしょう。もっと細かい事を言えば、休憩時間やトイレに行く時間なども不要になります。ただし、VRゴーグルやモニターを見る必要があるので長時間の操作を続けるのは難しいと思われます。せいぜい1日に休憩を挟んで2、3時間でしょうか。労働者側の利点としてはタスクをこなして仕事が終われば、その瞬間から自宅でくつろぐ事が出来るのです。


7 作業者の動きのデータを収集する

タスク毎に必ず最適な動作というのがある筈です。各作業の膨大なデータを集め、自律して動くロボットのAIを開発するために役立てます。いつ頃になるとは言えませんが将来は工場、倉庫、飲食店などの生産現場のかなりの部分は自律動作のロボットによって無人化していくでしょう。どうしても無人化できない所は遠隔操作ロボットが行うという世の中になると思います。 そうなる理由としては、企業間の競争など色々な要因があるのですが、労働者を現場で使うと人件費の負担が大きく、怪我をすると困るからというわけです。


8 ロボット社会に移行する

遠隔操作ロボットが普及すれば、膨大なデータを自律動作のロボットの開発にも役立てられるのでロボット産業そのものが発展します。つまりロボット・AI全般の性能が上がり、人が労働から自由になる社会が実現するのです。


※しかし、今の社会は出来るだけ仕事を増やそう、人口を増やそうという流れになっていますので記事の内容とは真逆の方向に進んでいます。

f:id:whosha:20181223220519j:plain


◯人類の次のフェーズは労働から自由になること

働かなくても生きていける社会は、今までの人類の歴史では絶対に考えられなかった大きな変化になります。ここで人類の歴史に一つの区切りが付きます。

その後、人類は新しい方向に向かっていくでしょう。

※それが何なのかは今の時点では私には考察出来ていませんが、多くの人の意見を総合すると、おそらくは「現実」と「仮想空間」の世界を行き来するようになるのではないかと言われています。


◯遠隔操作ロボット(AI・ロボット全般)は地球環境の問題に対応する

仕事が無くなることの利点は他にもあります。(全部の仕事が無くなる訳ではありません)それは温暖化の問題を解決できることです。将来、生産現場にAIや様々なタイプのロボット、遠隔操作ロボットが導入されると職場の無人化が進み、多くの人々は会社に通勤する必要がなくなります。そうなると通勤にかかるエネルギーの消費がなくなるためCO2の排出を抑えられます。また、無人配送が普及し運送会社に通勤しないのであればEVを動かすための電力は火力や原子力ではなく自然エネルギーだけで足りるでしょう。

私たちが普段、移動する時はEVの自動運転の配車サービスを利用するようになると思います。その頃には、お店に買い物に行く回数は減って、ネットで注文するという形にライフスタイルが変化している筈です。(VRゴーグルを使って買い物をする)

つまり、未来の世界では人があまり移動しないで物が移動するという世界になるのです。物なら大量にトラックに乗せて、無人配送で順番に配達していけば効率がいいという訳です。



未来の世界では

・「遠隔操作ロボット」と「自律動作ロボット」によってロボット社会が実現できる。


・ AI、ロボット、自動運転、EV、無人配送などで人は労働から自由になる。


・ 通勤しなくて済むので温暖化の問題が解決する。