未来は突然やってくる

20XX年の未来予想

未来の地球環境  温暖化(2) 北極圏の気温上昇

炭素循環


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前回は人間の活動によって大気中にCO2(二酸化炭素)及び温室効果ガスが増加し、地球温暖化に繋がることを基礎知識として説明しました。

その次に温暖化を理解するために知っておきたいのが「炭素循環」と呼ばれる壮大な仕組みです。

産業革命以前の工業化される前の環境を例に説明すると、人間社会や家畜・動物・自然火災などから大気中に排出されたCO2は主に

森林

海、湖


に一旦は吸収されますが、長い過程を経て、再び大気に放出されます。

つまりCO2が「大気」→「森林・海」→「大気」→「森林・海」→と延々と「循環」しているのです。

このことを「炭素循環」と呼びます。


(人間とは関係なく大気中には初めからCO2が存在し、炭素循環が行われています)

森林の場合


木が成長するために光合成でCO2を取り込み、落ち葉や古くなった木が土壌で分解されると再びCO2が大気に放出される仕組みになっています。

海の場合


海洋や湖では水面にCO2が溶け込んで吸収されます。

炭素循環は複雑な仕組みになっていますが、簡単に説明すると海水温の低いところからCO2が溶け込んで吸収され、再び赤道付近の暖かいところから放出されます。

他には植物プランクトン光合成でCO2を取り込み、それを動物性プランクトンが食べ、プランクトンが死んだあと分解され再びCO2を放出します。

要するに「炭素循環」とは「大気中」と「森林・土壌・海・湖」の間に膨大な量のCO2の出入りが行われている現象のことなのです。

そして「森林」「海」はCO2を放出するよりも、少しだけ多めに吸収してくれているので今までは上手くバランスが取れていました。

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炭素循環のバランスに変化が起こる


しかし、産業革命のあと全世界の工業化、化石燃料の消費が進み、大気中に排出されたCO2の量が急激に増えると地球全体の「炭素循環」では追いつかなくなってきました。

ここで、ようやく前回、説明した「温暖化の仕組み」に繋がってきます。

つまり、人間社会によって「炭素循環」のバランスが崩れて大気に温室効果ガスが増加し「地球温暖化」が引き起こされるのです。




北極圏の気温上昇の仕組み


前回、紹介したスーパーコンピューターを使って予測された動画について詳しく解説したいと思います。 (このシミュレーションが正しいのかは私には判断が付きませんが)





今まで説明した温暖化の仕組みに当てはめて考えると、殆どの人は、おそらく、このように予想するのではないでしょうか?

1 CO2(温室効果ガス)の増加


2 熱を溜め込む(太陽の熱を再放射できない)


3 地球の気温が少しずつ上昇


普通に考えると、こうなると思うのですが、動画を見て頂くと分かるようにスーパーコンピューターのシミュレーションでは信じられない予測が示されています。 (これは、あくまでも最悪のシナリオを想定したシミュレーションですので、絶対にそうなる訳ではありません)

動画に解説を付け加えると

1 CO2(温室効果ガス)が増加する


2 予想通り地球の気温が少しずつ上昇


3 ある時期から北極圏の気温が急激に上昇


4 その影響が北半球にまで及ぶ


5 北極圏~北半球では高い気温が続き、次第に地球全体に広がる



動画では時間経過とともに気候変動が手を付けられない凄まじい状況になっています。

では、どうして北極圏の気温だけが急激に上昇するのでしょうか?

その仕組は

1 地球温暖化によって北極圏(北極)にある氷が少しずつ溶け出す。


2 氷が溶けると海面が現れる。(特に北極で)


3 氷は太陽光の光を80%近く宇宙に反射しますが、海は太陽の熱を吸収。


4 氷が溶けて、海面が現れ、海が熱を吸収、気温・海水温が上昇、さらに氷を溶かし、海面が現れ、さらに熱を吸収します。


5 この悪循環が限界に達するまで続く


と予測されています。



北極圏の「氷が溶ける」→「海面が現れる」→「海が熱を吸収」→その繰り返し


こういった連鎖反応が予想されるため動画では北極圏を中心にして温度上昇を表す赤~黄色に変化しているのです。

また、同時に知っておきたいのは

○北極は氷が海に浮いている。


○南極とグリーンランドは大陸の上に氷がある


という事です。

このため

「氷が溶けると海面が現れる」という現象は海に浮いている北極でしか起こらないので北極圏の温度上昇が激しいのです。


一説では北極の氷が溶け出しても海全体の体積が増える訳ではないので理論上は海面上昇が殆ど起こらないと言われています。

紹介した動画はスーパーコンピューターによる予測なので精度が高いのは確かですが、今後の社会状況の変化もあるので必ずしも予測通りになる訳ではありません。

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気温が上昇する要因が増えている


現在、世界では産業革命前に比べて平均気温の上昇を2度以内に抑える事を目標に掲げていますが、もしかすると先程の動画にあった予測のように急加速で温度上昇していく最悪のシナリオになる可能性があります。

何故、そのようなるかと言いますと、今後、今までには存在しなかった新たな「気温を上昇させる現象」が次々と発生するため、温暖化対策をしても暫くの間は効果がすぐに打ち消され、その対策の効果が出るまでに何十年もかかると予想されるからです。

また、動画で示された北極圏の急激な温度上昇「氷が溶ける」「海面が現れる」「海が熱を吸収」という連鎖の仕組みについても調べた限りでは否定する情報が見つかりませんでした。

だからと言って実際に動画のように北極圏の温度が急速に上昇するかは分かりません。

現在、地球温暖化の対策というのは世界中で行われていますが、その効果が現れるのは、おそらく何十年も先になるのではないでしょうか。

しかも、

本格的な対策は殆ど始まっていません。


私の推測になりますが、このまま行くと温暖化対策の効果が現れるのは下手をすると30年、40年、もしくは50年以上先になるかも知れないのです。(もはや予測不能

※ 地球温暖化を説明する場合に「正のフィードバック」と「負のフィードバック」という表現が使われますが、難しい専門用語のため敢えて省略しました。

○ 地球には気温を上昇させる働きと、抑制して一定に保とうとする働きの2つがあります。

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現時点での予測


あり得そうな幾つかのパターンを考えてみました。

○ 手遅れ説


世界中で温暖化対策に取り組んだとしても、効果を打ち消すような「気温が上昇する要因」が加わるため思い描いているようには上手くいかない。その後、シナリオが分岐する。

温暖化対策の効果が現れる前に「最悪のシナリオ」へ。

世界中で対策を始めた頃には「引き返せない点」(point of no return)を過ぎてしまう可能性も。


○ 影響が少ない説


長期的に見ても気温の上昇が緩やかなため、あまり悪影響が出ないで済む。


○ コントロール可能説


温暖化対策が上手くいく。対策の効果を打ち消すほどの現象が現れず温暖化を抑制できる。

また、一時的に温暖化対策の効果を打ち消すような現象が現れても、最終的には温暖化しないで済む。


○ 地球バランス説


地球規模の「気温の上昇を抑制する働き」が強まる場合は結果として温暖化しない。


他には、一般の人達がネットで主張している説としては「地球温暖化は嘘」というものが多く見られました。初めから温暖化してないという説のようです。


次回も地球環境について取り上げたいと思います。