未来は突然やってくる

20XX年の未来予想

無人農業 (2) 未来の植物工場 

無人農業 (2) 植物工場は自動倉庫化し、無人化に向かう


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前回、紹介した無人農業は農地で行われるものでした。

つまり、屋外での農業でしたが、今回は屋内の植物工場について考えてみたいと思います。

普段、私たちが目にする機会が多い屋外での農業は、見たままの作業なので何をしているのか簡単に想像がつきます。

では、植物工場についてはどうでしょうか?


初めに植物工場を簡単に説明しますと

現在、主流になっている植物工場のタイプは低消費電力なLEDを使い、殆どの場合が倉庫の中に棚を設置してレタスなどの葉物野菜を栽培するものとなっています。

室内という安定した条件で、土耕栽培ではなく、水耕栽培にすることで害虫の発生を防ぎ、適切な栄養管理、水、照明、温度、空調のコントロールを行うことで生産性を高めることが出来るのが特徴です。

また、植物工場を都市部に建てることで、野菜の鮮度を維持し、流通コストを削減することも可能となっています。


このような植物工場は「未来の世界」ではどうなっているのでしょうか?



普通に考えますと、今後、照明(ランプ)の技術革新が起きたり、電力が限りなく無料に近付くようにならない限りは、現在と同じようにLEDとレタスの組み合わせのような葉物野菜がメインになるでしょう。

その理由としては、現在の技術では、たとえば米や麦などの穀類を栽培する場合に、強力なメタルハライドランプやナトリウムランプ(HID)が必要になりますが、それらの照明は1つ600w~1000wなので、100基も設置してしまうと電気代だけで赤字になってしまうのです。

種類は別ですが、メタルハライドランプは学校の体育館で使われる水銀ランプのようなものを想像してもらうと分かり易いと思います。

それらのランプはW数がケタ違いに大きいので熱が発生しやすく、夏場は空調管理する必要があり、余計に電気代がかかるという問題がありました。

私たちが「未来の世界」を想像した時に、あらゆる種類の野菜を植物工場の中でAI管理で栽培し、ロボットが収穫すると考えてしまいがちですが、実際は、電力や熱の問題がネックになってしまい穀類を室内で栽培する方向は実験段階にとどまり、未だ事業としては実現していません。


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私も、単純に「植物工場はLED」=「葉物野菜」……短期収穫が可能になり多期作で収益を上げるというふうに考えていました。

ですが、未来の世界では植物工場は「葉物野菜」に限定されるわけではないのです。

穀類・果菜類・根菜類などは低消費電力の照明(波長の研究)の開発が進めば栽培出来るようになるかも知れません。


現在、研究が進められているので、実現する可能性は否定できないでしょう。

もちろん、室内、水耕となると実現には時間がかかり、たとえ低消費電力の照明が開発されても、面積を広げるためには多層構造にする必要もあるでしょうし、比較的小さなサイズの葉物野菜のようには簡単にいかないと思います。

しかし、これから紹介する「立体の自動倉庫型・AI制御・ロボットの導入」によって、穀類に限らず、あらゆる野菜を未来の世界では当たり前のように栽培している可能性があります。



未来の植物工場は自動倉庫化され、作業はロボットに代替される





下の動画は植物工場ではなく、物流の分野で導入されている立体倉庫です

未来の世界では動画にあるような立体の自動倉庫型になり野菜が植えられている棚ごとスライドさせる方式が主流になると考えられています。

このように多層化して高く積み上げていくことで栽培面積を広げることが可能になるでしょう。

「栽培面積」=「利益」と直結しているわけですから「未来の世界」では植物工場が巨大化すると予想します。

植物工場の構造としては立体倉庫化、多層化、つまり巨大化しますが、同時に

植物工場をAI・ソフトウェア制御で動かすように発展するでしょう。


工場内の野菜の成長をカメラ(IoT)で捉えてAI・ソフトウェアで画像認識して生育具合を判断し、照明の波長や肥料、空調を適切にコントロールして収穫量を最大限に高めることが可能になる。

そして、

ロボットはコンベアで運ばれてきた野菜をカット、洗浄、箱に詰める作業を行う。


無人農業(1)で紹介した屋外での農業ではロボットが動き回ると説明しましたが、

mirainosekai.hatenablog.com

植物工場の場合はコンベアで流れて来た野菜に対して設置型の複数台のアームロボットが分業で作業を行います。

どちらかというと工場の産業用ロボットに近く、自律して動き回らないため開発コストを低く抑えられるでしょう。

mirainosekai.hatenablog.com

植物工場は運用費の中で電力が占める割合が大きいので、必ずコスト削減の必要に迫られて、未来の世界では24時間365日動かせる「ロボットの導入」は避けられないと思います。

ロボットの導入が進むと思われる主な理由としては植物工場を経営している企業間の競争があるからです。

未来の植物工場は
○自動倉庫のようなる(多層化、スライド移動式)


○工場が巨大化する (面積=利益であるため)


○AI・ソフトウェア制御になる


○ロボットの導入で24H休みなく動かす(液肥のセッティング、検査、衛生管理、メンテナンスなどもあるので完全な無人化ではありませんが、確実に省力化が進みます)



こちらはレストランなどにも併設できるタイプの植物工場



こういった様々なタイプの植物工場が稼働するようになると、全体としての農作物の生産性は倍増します。



「無人化」の本当の意味とは


このブログでは、しつこいくらい「無人化」と書き続けていますが、それは何故かというと工業製品に例えた場合、「無人化」によって価格を大幅に安くすることが出来るのです。(クオリティという側面もありますが)

つまり、大げさに言えば

無人化に成功した企業だけが生き残り、無人化を実現できない企業は淘汰される可能性があります。


もちろん、無人化だけが重要というわけではないですが、過去10~20年単位で世の中を振り返ってみた場合にパソコン、家電、スマートフォンといった各分野では激しい競争が繰り広げられ、残酷な淘汰が進みました。

もし、これからの時代に競争相手の企業が「無人化」を実現してしまえばどうなるでしょうか?


次回も引き続き「無人農業」を取り上げたいと思います。

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